一筋の答え   1









ロードスに引きづられてやって来た場所は大きなドーム型の場所だった。
都市の中心にあるらしく、その存在は何処から見ても分かる。
どうやらここが魔法都市アルテイルスの中枢機関になるようだ。
今だローレシアだと勘違いしたロードスはアリシアを引きづったまま中に入る。
そして、そこにいたのは五人の魔術師だった。




世界中でも有名な五人の魔術師。
ローレシアが加われば六人になる。
が、皆様どうしたのでしょうか?かなり殺気にみなぎっているような…


アリシアがうっと嫌そうに顔を逸らすと一人の魔術師が飛びかかってきた。
無論アリシアはそれを避ける。
が、次の瞬間そこには抉れた床とひび割れたコンクリートの姿が目に映る。







「マジですか?」







思わず冷や汗をかきながら五人を見つめると、
攻撃を仕掛けてきた男の魔術師がニヤリと笑うのが分かった。

何をやらかしたんだ!ローレシアの奴!!


その笑みにアリシアは一歩引き下がる。
冗談じゃない。こんな所で、しかもあんな化け物とやったらこっちのみが危うい。
…………次にローレシアを発見したら即抹殺ね。
アリシアはそう思うと、再び目の前の敵を見つめ直す。




多分今の彼等にローレシアじゃないっていっても通じないんだろうな…
遠い目をしながらそんなことを考えるアリシアだったが、
すぐに気を取り直すと魔法を唱えるため構える。

どうやら一対一をさせてくれるらしく、
誰かが戦っている間は他の人間は手出ししてこない。
これなら勝てるかも知れない。
これでもアリシアは魔法は大の得意。
さらに姿が元に戻ったとなれば完璧だろう。





「負けても恨まないで下さいね」



「ふん。言うようになったな、ローレシア」



「………………」






てか、ふつー仲間ならローレシアかどうか気づくだろう!普通。
喋り方が違うとか、動きが何時もと違うとか………




……………そ、そうか……







皆様、あまりに苛ついててそこまで目が行き届かないのね。
内心アリシアはほろりと泣きながらも笑みを浮かべる。
私のストレスの捌け口になってもらうには丁度良い。




丁度苛ついていたことだし、ま、いいだろう。
このままやられっぱなしは嫌だからね。
再び蹴りを食らわしてくる男を避けながら
アリシアは再び笑みを深めると手を前に向けていった。





「ごめんなさいね」






だが、その言葉は謝っていると言うよりも、笑っているような感じがした














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