レインとの久しぶりの再会   4









今、目の前にいるのは私の敵。
そう……最大の敵、レイン・アラストルよ。
アリシアは十分レインと距離をとると次に繰り出す魔法の準備をする。
だが、このままでは町にまで被害が出ると思ったロードスが止めに入る。




「アリシア姫……」





咎めるように呟くと、アリシアは一瞬顔を顰めた後、すんなり魔法を解く。
その様子にレインは目を見開いた。
今までどれだけ自分が頑張ってきても
アリシア姫は一度も言うことを聞いてくれなかったというのに、
何故ロードスの言うことだけは聞くのだ?


まさかアリシアがロードスを好きになったなんて事……
ないよな?と、考えているレインの耳に二人の親しげな会話が聞こえてくる。





「駄目ですよアリシア姫。そんなコトしたら大変なことになってしまうでしょう」



「でも、そうなったらロードスが助けてくれるでしょう?」



「いや、それでも……」



「やっぱりロードスは頼りになるよね!」





にっこり微笑むアリシア。
そんな笑みを一度も自分には向けてくれないと言うのに……




「ロードス?」


「…………何ですかレイン様」




恐ろしいほどの笑みを浮かべるレインに対し、ロードスは声を抑えて言う。
心なしか顔が青いのは気のせいだろうか?





「随分と親しげだね」



「ええ、一緒に旅をしてましたから」



「ふーん。そう……」



「何?あんたには関係ないでしょう?私とロードスはキスまでした仲なんだから」



「え?」



「ア、アリシア姫!!」




突然のアリシアのキス宣言により、レインは笑みを浮かべたまま固まり、
ロードスに至っては顔を青くしたり、赤くしたりしながらアリシア様!!と叫んでいる。
ふいに助けを求めようとロードスはローレシアを仰ぎ見るが……




「キス……キスねぇ……確かにあれはキスだね。ふふふ」


「ローレシア様!!」




助けるどころか更に状況悪化させるローレシアにロードスは肩を落とす。
ふいに殺気を感じ、怖々と顔を上げるとそこにはにっこりと笑みを浮かべたレインが立っていた。
勿論目は全く笑っていない。殺す気満々だ。




「ねぇ、骨も残らないほどの炎で焼かれるのと、
永久に浮かび上がってこないように海に沈められるのどっちが良い?」



「………………;;」





それはどっちを選んでも死ぬと言うことで……
思わずロードスは頭を抱えたい気持ちになった。

















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