レインとの久しぶりの再会   5









「と、兎に角落ち着いて下さい、レイン様。わ、私は―――」



「問答無用。覚悟してね」



「………………;;」





冷や汗が頬に伝わるのが分かる。冗談じゃない。
勝手な勘違いで殺されるのは嫌だが、もっと嫌なのは――――




「こんな話し、恋人のレイナに聞かれたらそれこそ終わりだね」


「分かっているのなら助けて下さい!!」




意地悪そうに言い放つローレシアに内心泣きそうになるロードス。
この人は楽しければ何でもいい人だったんだ。
今更思い出し、苦悩するロードスにレインは冷たい視線を投げかけながら近づく。
今にも殺さんばかりだ。
その様子を楽しげに見ながらローレシアは呟いた。





「そろそろ時間かねぇ?」






何が?そう呟こうとしたロードスの耳に入ったのは痛そうな物音。
ゴンッと何かが思いっきり当たった音がした。
恐る恐るそちらの方を見れば、無表情ながらにも怒った様子のルイスが立っていた。
その手には大きな水晶玉が握られている。
そしてその下には頭を埋めながら悶えているレインの姿があった。




……………殴られたんだな。その水晶玉で……





思わずロードスは哀れむような視線を投げかけた後、ルイスに向かって会釈する。
ルイスはムッとした様子ながらもこちらを見た。





「すまなかったな。この莫迦が暴走したようで…危うく死にかけていただろう」



「ええ、まぁ……」



「俺も見張ってはいたんだが……姫さんが来たって叫んだかと
思うともうその場にはいなくなってたんでな…急いできたんだが……遅かったようだな」





この莫迦は俺がしっかり面倒見るから安心しろ。と、呟くとがっしりとレインを捕まえる。
そして笑顔でドスの利かせた声で呟いた。




「オイ、帰るぞレイン。お前にはやらなきゃいけないことがたくさんあるんだからな」



「……………ルイス……お前なぁ」



「ほら、つべこべ言うな。海に沈めるぞ」



「でも、アリシア姫が………」



「お前がまいた種だろう。お前で何とかしろ」





冷たく言い放つルイスにレインはそんなーと言いながら引きずられていく。
その様子にアリシアはローレシアは爆笑していた。
笑い事ではないと思うのは俺だけではないだろうか?
何とかレインの誤解を解かなければ……
思わずため息をつきながらロードスはレイン達の後を追った。










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