レインとの久しぶりの再会   3









あれから二日後、漸くアリシア達の乗った船が魔法都市アルテイルスにたどり着いた。
何か此処まで来るのにいろいろありすぎて何がなんだかわからなくなっちゃったけど、
無事に着けたようだ。
船から下りるとアリシアはそんなことを思う。
でも、どうしたのだろうか。先からローレシアの様子が変だが……
と、言うかかなり不機嫌だ。漸く島に着いたというのに………




「漸くたどり着いたね」





しみじみそう呟くと、同時にローレシアの冷たい一言が飛ぶ。




「ええ、アリシアちゃんのおかげで波瀾万丈な旅だったわね」


「酷い!そこまで言わなくても良いのに」


「あら、貶しているわけじゃなくて、真実でしょ?」





本当のことだけに言い返せない。
この二日、兎に角いろんな事が起きたが、もはや思い出したくもない。
いやはや……死ぬかと思ったほどだ。
しかも自分のせいで起きてるとなれば文句も言えやしない。
案の定ジトリと睨み付けてくるローレシアにアリシアは視線をそらした。
と、兎に角一刻も早く元の姿に戻して貰わなければ…




「――――――ア……リシ………ア姫ー」



そ、そうよ。あの莫迦の声が聞こえるなんてありえない。



「アリシア姫―――――」



や、やばい。昼間からこんな幻想を聞こえるようになるなんて。
アリシアは一人ぶつぶつ言いながら辺りを見渡す。
心なしか表情が硬いのは気のせいだろうか?


ふと、急に身体が持ち上げられるのが分かった。
そして――――――





「アリシア姫、久しぶりです」




会えた喜びを隠そうともしないレインにアリシアは心の底から悲鳴を上げた。
い、い、何時の間に……て、てか抱き上げている。
オイ、私は餓鬼か?
焦りがだんだんと怒りに変わってくるのが分かる。
アリシアはにっこり笑うとレインの肩に手を当てると言った。




「このまま凍り付け」



「!!」




そう呟いた途端、一気に辺りの空気が冷ややかなモノとなり、凍り付くのが分かった。
相変わらず凄い魔法の力だ。それにしても……




「前会ったときよりも威力が上がってませんか」



「ええ、そりゃあ波瀾万丈な海の旅をしてくればこうなるわよ」




ええ、そうですとも。暇だーと、騒いだらローレシアに船から叩き落とされるわ、
巨大タコに襲われ食われそうになるし………



「兎に角、私に触らないで下さい」





アリシアは冷え切った笑みを浮かべたままそうレインに冷たく言い放った。
波瀾万丈な旅はまだ続きそうである。










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