レインを探せ 4
レインは視線を感じ、そちらに視線を向けるとそこにはアリシアの姿が。
何故か魔法も解け、元の姿に戻っていた。
その瞳の冷たいことと言ったら……思わずレインはゾクリとした。
今まで嫌われていたが、此処まで冷たい瞳で見られたのは初めてだ。
冷や汗が頬を伝う。まるで時が止まったかのようだった。
そして漸くアリシアに声を掛けようとしたとき、またしてもエリスに邪魔された。
「レイン様?」
急に動かなくなってしまったレインを不思議に思ったのか、
眉を顰めるエリス。一瞬だけ目をそらした隙にアリシアは何処かに消えてしまった。
それから全く姿を見てないが……何をしているのだろうか。
レインが密かにため息をついていると、フェイルが思い出したかのように言った。
「そうだ、お前に客だぞ」
「誰ですか……」
「クロレストラ王国の―――「アリシア姫ですか!!」」
フェイルが答える前に思わずそう叫ぶレイン。
その様子にフェイルは目を見開き、エリスは逆に頬を膨らませている。
だが、フェイルは面白そうな顔をすると言った。
「残念だが、シリア姫と、ダリア王妃様だ」
「シリア姫と………ダリア王妃?」
ありえない最強とも言える組み合わせにレインは目を細める。
シリア姫ならまだしも、何故ダリア王妃が…………
「王妃が王国を離れるなんて……」
「それだけことが重大だと考えになったから私が此処に来たのです。レイン」
凛とした声がその場に響き渡る。
金色の綺麗な髪が靡きゆったりとした動作で一人の女性が入ってきた。
アリシアと同じ薄ピンクの瞳が真っ直ぐレインを見つめている。
それは居るだけで場の空気がガラリと変わるのが分かった。
「ダリア王妃………」
漸くの出たのがその言葉だった。
その言葉にダリアはにっこり笑いながら言った。
「久しぶりですわね、レイン。貴方とお話があります。宜しいでしょうか?」
「…………はい」
「あと、シリア……人払いを……」
「はーいvvと、言うことでフェイルと王子とエリス姫はこっちに来てね」
ダリアの後ろから出てきたシリアに思わずレインは顔を顰める。
だが、シリアは気にした様子もなく近づくと言った。
「ゼバイルの姿も戻したのなら私の姿も戻してよ。
いい加減飽きちゃったからもういいや。男もなかなか楽しかったけどねvv」
「…………分かりました」
何処か嫌そうにため息をつくと、指を鳴らす。
その途端、白い煙が上がったと思うとそこには元の姿に戻ったシリアが立っていた。
短くなっていた髪は長くなり、身長も元の高さに戻っている。
元の姿に戻ったシリアに見取れているフェイルの手を捕まえ、引きずるとその場を後にした。
無論、エリスを連れるのも忘れない。
そして二人きりになったダリアは何時もと変わらぬ笑みを浮かべたままレインに振り返った。
その笑みが何処か恐ろしく感じたのは気のせいではないとレインは確信した。
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