謎の美女   3









なんだか知らないけど、新たな旅の仲間?が増えアリシアは上機嫌で町の外まで来ていた。
今回はローレシアと共に魔法都市アルテイルスに行くこととなった。
ゼバイルお兄さまととシリアお姉さまは知らない。
寧ろ城で忙しそうにしていたから話しもせずに出てきてしまった。
ま、大丈夫だろう。そんなに心配しなさそうだし。





「そう言えばダリアには言ってきての?
あれ、物凄く心配性だから何も言わないで出ていくと大変だと思うよ?」





「あああ!!わ、忘れてた;;」





ローレシアの言葉にアリシアは思い出したかのように叫ぶ。
だが、今日は一回も見かけていない。
何処かに出掛けたのだろうか?


いや、その前に………






「此処から城に戻るのめんどくさいな……」




そう、もう此処は町の外。
今からまた城に戻ったりしていれば夜になってしまうこと間違いない。
ううう、と呻き声をあげ、悩み出すアリシアにローレシアは呆れたように言った。




「全く……今から戻ったりしたら私も大変だからダリアには私が報告して置くわ。
そうね……こんな感じで良いかしら?」




そう呟くと、ローレシアは何もない空間に文字を書くとふぅ、と息を吹きかける。
すると一枚の紙が現れた。しかも先程宙に書いていた文字がそこには書かれている。
感心したように見ているアリシアの前で、ローレシアは魔法で消すと言った。





「さ、行きましょ。もう手紙は送ったから大丈夫よ」


「うん」





ローレシアの手際の良さに感心しつつも、アリシアは歩き出す。
本当、魔法に関してはこの人凄いと思う。
こんな事呪文も無しで出来る人なんてそうそう居ないはず。





「もしかして……ローレシアって凄い?」



「ん?今更気づいたの?このおにぶちん」



「…………ぅぅ゛……;;」






その通りなので全く言い返せないアリシア。
頬を膨らませながら睨み付けていると、ローレシアが頭を撫でながら言った。





「あー、面白い。からかうと面白いね、アリシアは。
彼奴が惚れた理由が少し分かったかも………」



「?」




「ああ、何でもない、独り言だから気にしないでー」





笑みを浮かべ微笑むローレシアに今だ納得できない。
と言った感じのアリシアだったが、渋々再び歩き出す。




旅はまだまだ続きそう。かな?












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