謎の美女   2









思わず期待の眼差しで見れば案の定女性はにっこり笑っていった。



「ああ、レインの魔法なら簡単に解けるわよ。私なら」


「ホントですか!!」




これでもとの姿に戻れる!と、
喜んでいたのもつかの間、女性はちょっと残念そうに言った。
だが、何処か楽しそうなのは見なかったことにしよう(キッパリ




「でもねー彼奴がかけた魔法、ちょっと特別でね、特製の薬がないと解けないのよ」



「え?」




仮にも彼奴、天才魔術師って言われるほどだしね、と女性は笑った。
笑い事じゃ無いよ!!お姉さん!!と、突っ込みたいのを堪え、アリシアは言う。




「じゃ、その魔法の薬って……」



「察しがいいわね、アリシアちゃん。作らなきゃ無いのよ……おまけに此処じゃ材料がない。
と、言うことで一緒に行きましょ?魔法都市アルテイルスに」




綺麗な笑みを浮かべると、女性はアリシアの手を掴む。
つまり……拒否権は無しってヤツですか?
女性はアリシアの手を掴むととりあえず閉鎖した店の中に入っていった。
中は殆ど何も残っていない。
アリシアが店の中を見ていると、女性は隅っこに置いてあった段ボール箱を此方に引きずってくる。
そして中を開いた。




中には子供服がいっぱい入っている。
どれもこれもアリシアが好きそうなものばかりだ。





「わー可愛いvv」




「そんなかから好きなの選んで良いよ。洋服、買いに来たんでしょ?」




「まー、そうですけど……」




「好きなだけ選んで良いよ。買っていく人間なってそうそう居ないからね」



「なんでですか?」



「高いから」



「…………………;;」






あー、確かにそう言われてみれば高そうかもしれない。
今まで考えたこともなかったけど……ま、良いかお父様が出してくれるんだし。
さほど値段を気にした様子もなく、見ていくアリシア。
ある意味可哀想な国王でもある。





一通り選び終わると、アリシアは大事そうに服を袋に入れた。
と、言っても二、三着ぐらいだが……一応それなりに考えているようである。

女性はそれを見ると、指をパチンと鳴らし、段ボール箱ごと何処かへやる。
消えた段ボールに驚いたようにアリシアは瞳を開いた。
それに気づいた女性はああ、と、呟く。





「あれは向こうでも売ろうと思ってるから先に送っておいたの。
こう言うとき便利だよねー魔法はさ」




「確かにそうですね」







女性は店の中を見回すと、残りがないかチェックをし、店を出る。
そして鍵を掛けると言った。




「そう言えば名前言ってなかったね。私はローレシア。呼び捨てで構わないよ」



「はい。わかりました」




「ん。じゃ、行くよ」






漸く元の姿に戻れるときが近づいてきたような気がした。


















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