もう一度愛の告白を…   4









漸く気づいた…本当の気持ち……
今の自分はフェイルよりレインの方が大切に思っている。

だけど…だけどそれは――――――




「気づかなきゃよかった……」




思わずアリシアは呟く。
これが恋だというのなら確実に今、私が好きなのはレインだ。

だが、まだフェイルのことが忘れられないわけでもない。
そもそも告白もしてないのだ。
幾らシリアお姉さまが好きだと知っていても、そこははっきり知っておきたい。



そう、これは自分との恋心とのけじめ。
これがはっきりしなければ次へとは進めない。



だが――――





「この姿じゃどうしようもないわよね…」





途方に暮れたようにアリシアは今の自分の姿を見る。
それは誰から見ても自分ではない姿……
こんな姿で告白したってちゃんとした返事は貰えないだろう。


いや、そもそも元の姿に戻ったとしても子どもの姿では相手にすらして貰えないだろう。
これが悲しい現実……



ふと、シリアの魔法が解けたのか、一気に視界が低くなるのが分かる。
幾ら慣れたとはいえ、やっぱり元に戻りたいとは思う。


別に今の賭は面白いし、意外とレインを追いかけるのもそんなに苦にはならなくなってきた。
大体、行く場所に必ずレインが現れるのだからおいかけっこをしている意味がない。


それにちゃんと次の向かう場所を言っていく辺りが凄いと思う。




「全く……捕まえてほしいのか、捕まえてほしくないのか
はっきりして貰いたいよね」




アリシアは静かに笑いながら言う。
それはレインに対する皮肉にも聞こえた。






「――――――アリシア姫?」





ふと、聞き慣れた声がその場に響く。
今まで愛おしくて、大好きで……仕方がなかった人。
今までは声を聞いただけで赤くなっていたというのに、



―――――――今じゃ………




「お久しぶりです、フェイル王子」






―――――――ーこんなにも穏やかに見られる。

瞳を細めると、アリシアは自称気味に笑う。
それは悲しそうな笑いだった。



「どうしたんですか?こんな所で。
シリアお姉さまも来ているのに会わなくて良いのですか?」



折角久しぶりにお会いできましたのに…
と、緩やかに笑うとフェイルは一瞬驚いたように瞳を見開くと再び微笑む。



「随分と優しい笑いをするようになりましたね」



それは意外な言葉だった。
そうですか?と、言うアリシアにフェイルはアリシアの横に並ぶという。




「そうですよ。今までそんな笑み一度も見たことがありませんよ。
どんなときでも貴女は淋しそうに笑っていましたからね」



「――――そうだったのかも知れません。自分では分かりませんから。
……でも、少し心に余裕が出来た見たいなんです。今までに比べると」



そう言いながらアリシアは静かに微笑むとフェイルに向き直る。
その瞳は真剣そのものだった。





「だからこそ私は真実が聞きたい…嘘は消してつかないで下さい」



「…………………」




「私は――――フェイル王子……貴方が好きでした」




シンとした場所にアリシアの声だけが響いた。




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