仮葬パーディー   6









―――――――ちょいまて!!!




何で今回に限ってこんなに勘がいいの!!?
思わずそう叫びたいのを堪え、アリシアは目の前の人物を見た。



難しい顔をしたゼバイルが目の前にいる。
その横にはフェイル王子……




逃げてぇ!!思わずアリシアは青ざめた笑みを浮かべる。
だが、シリアはにっこり笑うと言った。




「いいえ、今回会ったのは初めてですよ。何故ですか?」





探るような視線が二人に向けられる。
その視線を受けながらフェイルは爽やかな笑顔を浮かべた。




「すみません、気のせいだったようですね。
何処かで会ったような気がしたので聞いてみたのですが…気のせいでしたか」


「……そのようだな」




フェイルの言葉に頷くゼバイル。
その言葉に安心したのか、アリシアは安堵した表情を浮かべると優しく笑った。
その笑顔はアリシアが笑うときの笑顔そのもので――――




「―――――アリシア………?」



「え?」


「……………(ばれちゃったvどうなるかな〜)」





ゼバイルの言葉に驚いたように見つめるアリシア。
そんな様子をシリアは楽しげに見ていた。
流石シスコンのことだけはある。


そんなことを思いながらシリアは笑う。
ふと、視界に一人の男が映った。



焦げ茶の髪に青い瞳が特徴の男だ。
あれ、彼奴って……………




―――――――――レインじゃない!




面白いことになってきたわね〜うふふvv
流石変質者、兼ストーカ見たいな婚約者な事だけはある。



やっぱりあの姿じゃばれるから変装してきたのか。
それぐらいは出来るようね。




「―――――――じゃ、俺は少し風に当たってくるわ」


「ちょ……待ちなさいよ!!私をおいてくな!!!」



「んー、それは無理。流石にこわーいお兄さん達に睨まれちゃ無理だね。
と、言うととで頑張れ!!」



「薄情者!!!」





思わず叫ぶアリシアに対し、シリアはスルリとかわすとその場を離れた。
ど、ど、どうすればいいのだ?この場合……



ポタポタ冷や汗が垂れる。




こんなに早くばれるとは……これだから此処に来るのは嫌だったのよー!!
泣きそうになりつつも後ろをチラリと見れば怒った様子のゼバイルが立っている。



あはは……思いっきり逃げてー




「お前…………「お嬢さん、私と一緒に踊っていただけますか?」」




何かゼバイルが呟こうとした瞬間第三者の声が突入する。
その声は聞いたことないのにその口調は何処かで聞いたことがあるような気が―――



そう、物凄く思い出したくない人物の奴に重なるのだ。




アリシアが驚いたように見れば、そこには見たことがない男が立っていた。








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