仮葬パーディー 2
一体何がどうなっているのだろうか?
アリシアは目の前の人物をマジマジと見つめながら思った。
今の状況を説明するのならそう、抱きかかえられていると言った方が良いだろう。
そして、その抱きかかえている人物にアリシアは全く見に覚えがなかった。
青みがかった艶やかな黒髪に翡翠色の瞳。
端整な顔立ちはそこら辺にいる女達を黙らせては居ないだろう。
兎に角、アリシアは綺麗な人だと思った。
男に綺麗もあるのかは知らないが、その言葉がぴったり当てはまってくる。
ふと、男に見取れていたせいか、
アリシアはいつの間にか景色が変わったのに漸く気がついた。
それは今まで居た公園とは全く違う場所である。
そう、まるで何処かの宿みたいだ。
男はアリシアを床に下ろすと漸くアリシアを見つめた。
一方のアリシアはまだ頭の中が混乱していて言葉も出てこない。
ふと、男が見たことのある笑い方をした。
そう、それは口元を上品に押さえ、笑う仕草。
その仕草をアリシアはよーく知っていた。
「………もしかして……シリアお姉さま……?」
「大正解!アリシアちゃん!すごーい」
そう言うと男の人はアリシアをギュッと抱きしめる。
まるで人形を抱きしめているような感じだ。
思わずアリシアは呆れたようにシリアを見る。
それにしても………
「何で此処に居るんですか?お姉さまはお城に居るんじゃなかったんですか?」
「んー?つまんないから抜け出して来ちゃったvvそれよりアリシアちゃん!
一緒に仮装パーティーに行かない?お城の方で仮装パーティーやるらしいんだけど、
一人じゃつまらないし、アリシアちゃんと一緒なら楽しそうだから良いよね〜てか、決定!」
何?私に拒否権はないんですか?お姉さま……
てか、つまらないから抜け出して来ちゃったって……
お母様がお怒りになりますよ。
いや、つーかその前に。
「その姿はどうしたんですか?」
そう、それがずっと気になってたの。
アリシアはジッとシリアを見つめながら聞く。
するとシリアはにっこり笑いながら言った。
「うふふ、聞いて驚いてね。実は、勝手に魔法を作ってたらこういう
変身できる魔法を編み出したのよ!!凄いと思わない!大丈夫。
お城の方には代わりを置いてきたからばれてないと思うわ。
と、言うことで…アリシアちゃんにもかけるわね〜」
「え?ちょ…ま、……心の準備が!!」
「えい!」
ボン。と、言う音とともに煙が立ち上る。
だが次の瞬間煙の中から出てきたのは全く別人の姿をしたアリシアだった。
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