戦うときの定義 2 「で、どうするの?このモンスター達」 アリシアが睨み付けるかのように瞳を細めると、ゼバイルが剣を振るいながら言った。 「―――アリシア、このモンスター達を一瞬で良いから止めることは出来ないか?」 「え?……分からない。失敗するかも知れないよ!」 先程のこともあり、困ったように呟くアリシアにゼバイルは叫ぶ。 「それでも良いから、一瞬敵の動きを止めてくれ」 「もう、どんなことになっても知らないからね!」 叫ぶように言うとアリシアは手を前につきだした。 「―――水よ我の声を聞け、かの者を捕らえよ。冷気の息吹よ此処に!!」 その途端大地が氷で固められた。 無論モンスターも一緒に。 余りの威力にアリシアは唖然とした。 モンスターと戦っていたゼバイルも一瞬のことに驚き、何とか避けたが当たっていたらただではすまないだろう。 当たっていたら今頃、そこら辺で凍っている植物達と同じ運命を辿ることになる。 「アリシア!?お前は俺を殺す気か!!」 思わず怒鳴るゼバイルにアリシアは顔を膨らますと負けじと言い返す。 「何言ってるのよ!ゼバイルお兄さまがやれって言ったんじゃない」 ぷぅ。と、頬を膨らませると、アリシアは怒ったようにゼバイルを見た。 薄ピンクの瞳が細められる。 「ま、結果オーライだから良いじゃない」 あくまで気楽に考えるアリシアにゼバイルは頭を抱えた。 いつかこのままモンスターではなく、アリシアに殺されると思うのは自分だけだろうか? 「とにかく、だ。とりあえず、お前は魔法をコントロールできるようにすること。じゃないと俺の命が危なくなる」 命の危険を感じたのか、ゼバイルは言い聞かせるかのようにアリシアに言う。 「…………はーい。分かりましたよ」 確かにその通りだと思ったのか、アリシアは頷くと、自分の腕を見つめる。 力が強すぎるのだろうか? ――――――――うーん。 よく解らないや。 とにかく、何としてもコントロールできるようにならないとね。 ゼバイルお兄さまのためにも… 「で、あとどのぐらいで着くの?アーリアに」 アリシアがゼバイルに聞くと、しばし考えたのち言った。 「大体、二日ぐらいか。その間モンスター達を切り抜けて行かないとな」 「二日!?」 「ああ、その間アリシアには勿論魔法をコントロールできるように訓練をしてもらうけどな」 「うう、分かりましたよ」 これから起きる訓練に思わず溜息が出たのは言うのは言うまでもない。 |